「コーラやサイダーなどは砂糖がたくさん入っているし,添加物も多い」
こういった理由で清涼飲料水は控えている方も多くいるかと思います。
その代わりに果汁100%のジュースは健康にいいから飲んでいる方も多いかと思います。
それでは,そもそもその果汁100%ジュースは上記の清涼飲料水よりも健康にいいのでしょうか?
果汁100%ジュースの常飲は歯の石灰化を妨げる
実はリンゴやオレンジの果汁は酸性度が高いです。
中性はpHが7前後ですが,果汁100%ジュースのpHは4程度あります。
もちろん,ジュース以外にも梅干しやお酢,ヨーグルトなど酸性の食品は多くありますが食後に唾液の作用により溶けた歯を修復されています。
唾液が口内のpHを中和し,歯の溶けた部分をミネラル分の補填によって再石灰化してくれるおかげで酸性食品を口にしても虫歯にならずに済んでいます。
実際には再石灰化には時間がかかるため,食事の間隔はある程度空ける必要があります。
だからこそ,まだ再石灰化されていない間に砂糖が含まれたお菓子などを摂取すると虫歯になりやすくなるため,これを控えるよう歯科で指導されることも多くあります。
しかし,砂糖が含まれるお菓子は控えていても水代わりにこれらのジュースを頻繁に摂取することは盲点として意外と多くの人がしてしまっています。
頻繁に口内に酸性のジュースが入ってくると,唾液の働きが追い付かず歯は軽いむし歯状態になってしまいます。
果物に含まれる果糖と虫歯の関係
そうはいっても食べ物や飲み物そのものが歯を直接虫歯ににするわけではありません。
虫歯の原因として挙げられるのは,口内にいる細菌がつくりだす酸です。
糖分の含まれる食べ物や飲み物を摂取すると,その糖を利用して細菌が酸を作り出しますが,ブドウ糖由来の酸と,果糖由来の酸ではその濃度が違います。
ブドウ糖由来の酸は健康な歯のエナメル質まで溶かすほど濃度は高くありませんが,果糖由来の酸は濃度が高く,健康な歯のエナメル質まで溶かしてしまいます。
その意味でも果糖を大量に含む果汁100%ジュースは歯にとってはリスクのある飲み物といえます。
同様に虫歯の原因となる砂糖もブドウ糖と果糖がくっついた形を成しているわけですから,砂糖も虫歯の原因となるわけです。
最近では果糖ブドウ糖液糖などの高果糖液糖もジュースや調味料に含まれてますから食品表示もよく見て買い物しましょう。
参考になれば幸いです。
では,また!