栄養士×保健体育教師 かーよーのブログ

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メガビタミンという考え方①

今日は健康の話

 

サプリメントって飲んだ方がいいの??

 

実際どうなのでしょうか。

 

保健の教科書には栄養は食事から摂取するのが基本であり,サプリメントは補助的なものであると書いてあることが多いです。

 

私の考えは,サプリメントは「毎日の食事と共に飲むことで最大限の効果を得ることできる」です。

 

その前に,サプリメントとして摂取されるビタミンやミネラルとはいったい何なのでしょうか。

茶色のガラスの瓶を保持している白いシャツの少年

 

消化は化学反応である?

ビタミンやミネラルを知るために,まず頭に入れておくことは

 

食べ物は体にとってすべて異物である

 

ということです。

 

例えば,私が今朝食べたトリのから揚げ(朝から揚げ物食べてんの?というツッコミは無しですよ)は,タンパク質と脂質で構成されていますが,そのままの形では体の中に吸収することができません。

 

タンパク質は,アミノ酸まで,脂質は脂肪酸とモノアシルグリセロールまで分解され,細かくなったうえで腸管壁から吸収されるわけですが,この過程では多くの酵素の働きが関わっています。

 

酵素により,物質が分解されたり合成されたりする働きは一種の化学反応であり,体の中で生じる化学反応のことを代謝と呼びます。

 

ビタミンやミネラルは普段の食事だけでは足りない事実

そして,この代謝をうまく回すためにビタミンやミネラルは重要な働きを担っています。

 

代謝がうまく回るかどうかは,ビタミン等が充分に足りているかどうかに相関します。

 

最近の健康ブームでMCTオイルやEAA(必須アミノ酸)などいろいろ流行しているようですが,いくら良質な栄養を摂取してもこの代謝がうまく機能していない状態では,栄養素の吸収効率は高まりません。

 

だからこそ,ビタミンやミネラルが重要なのですが,このビタミンやミネラルがどれくらい必要なのか,また,体のどこで不足しているのか,については個人差があり,当の本人でさえわかりません。

 

例を挙げると,

 

ヒトは吸収したアミノ酸から体の中で10万種ものタンパク質を合成していますが(ホルモンや酵素などもその一つ),その合成能力はヒトによって違いがあります。

 

あるたんぱく質を作る能力は高いが,また別のたんぱく質を作る能力は低い

 

言い換えると

 

あるところでは代謝がうまく機能しているけど,あるところでは代謝がうまく機能していない

​​

もっと言い換えると

 

あるところの代謝を回すビタミンは足りているけど,あるところの代謝のビタミンは不足している

 

​​​​​ということです。

 

メガビタミンの考え方

今まで,ビタミン等は微量栄養素と呼ばれており,少しの摂取で事足りると考えられていたのだけれど,体の中のどこの代謝が機能していて,どこの代謝が機能していないのかなんてだれにもわかりません。

 

ならば​​,​すべての代謝経路に行き届くように大量のビタミンを摂取しておけば​​​​,ビタミン不足で代謝がうまく機能しないという事態を防ぐことができるのではないか?

 

というのがメガビタミン主義の考え方です。

 

こういうと,ビタミンやミネラルの過剰摂取による健康被害を主張する方もおられますが,

 

体は不足しているものは積極的に取り込み,多すぎるものは排出する仕組みをちゃんと持っており,

 

過剰摂取による健康被害はある特別な条件でのみ生じることが多いです。

 

例えば,鉄の過剰摂取による健康被害が言われていますが,あれは貧血の患者に鉄剤を注射で血液中に投与した場合に報告されているそうです。

 

そもそも経口摂取による鉄の吸収率はものすごく低く,普通に食事をしているだけでは鉄不足になって当然です。

 

鉄分が豊富といわれる食材にホウレンソウがありますが,必要な鉄をホウレンソウから賄おうとすれば毎日バケツ4杯程度食べないといけません。実際には吸収率が悪いことを考えるとそれ以上かもしれません。

 

そうした経口摂取による鉄分補給(サプリメントを含む)と,注射による鉄剤投与を混同して一概に鉄の過剰摂取は危険なんていえないですよね。

 

そして,ホウレンソウの例でわかるように必要なビタミンやミネラルを食事からだけで摂取することは無理があるのでサプリメントの使用をした方が効率的です。

 

というわけで食事とサプリメントを使い,健康を目指したいわけですが数あるサプリメントの中でどれを飲めばいいのか迷いますよね。

 

このあたりについては次回解説したいと思います。