みなさんは「ハロー効果」という言葉をご存じでしょうか?
口に入れる食品はなるべく安全なもの,健康的なものにこだわりたいものですが,このハロー効果により,誤った判断で食品を選んでいる人がいるかもしれません。
しかも,それほど健康的な食品ではないのに,本人は「これを食べていれば健康的になれる」と思い込んでいる場合もあるかもしれません。
今日はそんな誤解を引き起こす,食品にまつわるハロー効果についてみていこうと思います。
ハロー効果とは
ハロー効果とは,
ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと ウィキペディアより
です。
例えば,殺虫剤が人体にもよくないのはなんとなく察しがつくと思います。
殺虫効果のある化学物質ですからなるべく吸いこみたくないと思うのが自然でしょう。
ここで,ある殺虫剤のパッケージに「100%自然由来成分」と書いてあるとします。
すると,自然由来の成分であるならばなんとなく体に優しい気がして殺虫剤に対する忌避感がグッと下がることがあります。
しかし,自然由来であっても殺虫効果のある化学物質でさることには変わりありません。
フグの毒で人体にも猛毒であるテトロドトキシンも自然由来ですし,毒キノコの一種であるクサウラベニタケの成分で神経系中毒を引き起こすムスカリンも自然由来です。
自然由来だから体に優しいことなんてないのです。
ところが,私たちは”人工物=悪” ”自然物=善”というイメージがあるため,この殺虫剤の評価を見誤ってしまいます。
これがハロー効果です。
これを知ったうえでスーパーに売ってある食品を見てください。
すると,ハロー効果を狙った商品があまりにも多いことに気が付くはずです。
食品によくみられるハロー効果をねらったセリフ
食品によくみられるハロー効果には例えば以下のものがあります。
○○mg配合
ヘルシー
カロリーオフ
ナチュラル
ゼロカロリー
国産
店内仕込み
等ですね
これらのセリフがパッケージに書いてあれば,「なんとなく健康的」な印象を抱く人が多いそうです。
しかし,本当にそうでしょうか?
ハロー効果を狙ったセリフについて毒舌解説
「ビタミンC500mg配合」
多くのビタミンCが摂れる印象がありますが,当たり前ですが,500mgは0.5gのことです。メガビタミンの観点から言っても全く足りません。
「無添加」
これもまた健康によさそうですが,そもそもその食品自体が健康的でなければ無添加でも意味はありません。
「ゼロカロリー」
これまたダイエットによさそうですが,ゼロカロリー表示の定義は100mg(ml)あたり5kカロリー以下のことを指します。ゼロちゃうやんけ。
「国産」
国産だから安心といえる保証はありません。
「店内仕込み」
だから何?という表現ですね。工場で作っても店内で作っても味が変わらなくても店内仕込みと書いてあればそちらを選ぶ場合が多いそうです。愛情でも入っているんですかね?
「ナチュラル」
定義が曖昧過ぎます。ナチュラル→自然→健康的というイメージに誘導する典型的なハロー効果ですね。私はいまだにナチュラルな食品と聞いても具体のイメージが出来ません。
「ヘルシー」
全くヘルシーには思えません。一般的に春雨などのカロリーが低いものに使われることが多いですが,カロリーの低いものばかりたべても人は健康になりません。
「カロリーオフ」
何と比べてですか?
本当に健康になりたい人が考えるべきこと
以上,様々なハロー効果を狙ったセリフについてみていきましたが,「たしかにそうだな」と気づいたこともあったのではないでしょうか?(そうだと嬉しいです)
メーカーが考えるこれらのセリフはあなたの健康を心から願って言っていることでしょうか?
これらの言葉は,ハロー効果を狙い,自社製品の売り上げを伸ばす効果があります。
マーケティングの一種ですね。
本当に健康になりたい人が考えるべきことは,これらのセリフが書かれてあるものを選ぶことではなく,食品そのものの栄養素とその量についてです。
その基準さえ持っていれば安易なハロー効果に踊らされることのない消費活動をすることができるのではないでしょうか。
参考になれば幸いです!