栄養士×保健体育教師 かーよーのブログ

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ビタミンDの体内でのはたらきについて

これまでビタミンB,C,Eについて記事にしてきました。

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今回はビタミンDについてです。

ビタミンDといえば近年のcovid-19の流行の際に感染症対策として注目を集めた栄養素です。

ビタミンD_感染症 と検索したら多くの記事が出てきます。

bio.nikkeibp.co.jp

 

そんな注目のビタミンDについて体内でのはたらきについてみていきましょう!

ビタミンDの基本情報

ビタミンDは植物に多く含まれるビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物に多く含まれるビタミンD3(コレカルシフェロール)があります。

 

ビタミンD1は?と気になるところですが,ビタミンD1は発見された後に不純物であったことが判明し,「やっぱなし」ということになりました。

 

それならばD2→D1に,D3がD2に昇格すればいいのでは…?と思いましたが,まあそこは何か事情があったのでしょう。

 

そしてビタミンDの特徴の一つに「体内で合成できる」ということが挙げられます。

 

ビタミンというものは体内では合成できない有機化合物であるため,食事などで外から摂取することが大切なんですよー,というのがこのブログの中でも繰り返し発信してきたことですが,その意味ではビタミンDは一線を画してます。

 

体内で合成できるということはどちらかといえばホルモンに近いと言えますが,逆にホルモンは体内でしか合成できず外から摂取するという概念は基本的にはありません。

 

ビタミンDは体内で合成できるし,栄養として外からも摂取できるものなんですね。

 

ビタミンDの供給源は?

「体内で合成できるのであれば特に意識することもない」と思われがちですが,ビタミンDを合成する引き金となるのは太陽紫外線を浴びることです。

 

しかし,現代,人々の多くはオフィスワークなど屋内で過ごすことが多く,また,近年は在宅ワークや不要不急の外出を避けることも多くなったことから十分日光に当たっていない人も多いのではないでしょうか?

 

また,せっかく外に出るときも日焼け止めを塗っており紫外線からビタミンDを生成することを阻止してしまっています。

 

さらに,高緯度に住む人々や冬季などは紫外線の量も少なくなってしまいますので,現代人は紫外線だけから十分量のビタミンDを合成できていない(不足している)のが実情です。

 

日本に住んでいる場合,日光浴でビタミンDを合成するためには4~9月の期間の日中に最低でも15分間日光に当たる必要があると言われています。

 

ビタミンDの体内でのはたらきについて

では,そんなビタミンDの体内でのはたらきについて簡単にみていきましょう。

・骨を丈夫にする

ビタミンDが体内に十分にあることでカルシウム代謝の調節がスムーズになります。

 

実際,骨粗しょう症の人は血中ビタミンD濃度が低いことがわかっています。

 

ビタミンDはカルシウムやマグネシウムと併せて骨の生成や強化を一役になってくれます。

 

・免疫力の向上

免疫には自然免疫と獲得免疫の2つがありますが,ビタミンDは双方の免疫系を高めてくれることがわかっています。

 

ビタミンD受容体はマクロファージやT細胞などの生体防御に関係する細胞で発現していることから,ビタミンDが十分あることでこれらが活性化するともいえます。

 

・その他のはたらき

その他,ビタミンDは約100種類の数の疾患の改善に有効という報告があります。

 

例えば,心臓疾患,糖尿病,認知症などの予防・改善効果

 

さらにはこの時期に朗報ですが,メガ量摂取(2万IU)で花粉症が改善したとの報告もあります。

 

 

食事やサプリメントなどからも摂取できるビタミンDですが,一番手軽なのはまず外へ出ることです。

 

確かに紫外線を長時間浴びることは良くないですが,全く浴びないことも良くありません。

 

それに効果が高い日焼け止めは肌にもよくありません。

 

1日15分,天気の良い日に少し日光を浴びることを意識してもよいかもしれませんね!