最近は,「低糖質」,「砂糖不使用」を売りにした商品もお店に行けば多くラインナップされるようになってきました。
そうはいっても,まだまだ,外食などで糖質制限をすることは難しい場面があります。
長年,糖質制限を意識してきた私でさえそう思います。
それくらい,レストラン,コンビニ,スーパーのお弁当は糖質を中心にしたメニューが多過ぎるのです。
炭水化物=主食の構図が栄養学も含めて成立しているので多くの人はそれを疑いません。
自分の子どもの食事を考えても,学校で給食を食べるときに我が子だけ「米やパンをなしにして代わりにお肉や魚を増やしてください」なんて頼みにくいです。
変人扱いされるに決まっています。
もちろん,そこは多少緩くてもよいと思っています。
何も日頃の糖質摂取量をゼロにする必要がありません。
それが必要なのは重度の糖尿病の方だけでしょう。
私も,時々,お米を食べることはあります。美味しいですから。
しかし,それでも糖質は摂りすぎるべきではないと考えています。
今回はその理由を見ていきます!
そもそも人間の体は血糖値上昇を想定していない
人間の体の血糖値はある程度一定に保たれています。
それは生命の維持にとって重要なことです。
血糖値が上がった場合は
が分泌されて血糖値を下げます。
血糖値が下がった場合は
グルカゴン
アドレナリン
などが分泌されて血糖値を上げます。
ここで大切なのは,なぜ,血糖値を上げるホルモンは3つもあるのに,血糖値を下げるホルモンはインスリンしかないのか?という疑問です。
食後に血糖値が上がることは,ある意味常識のように考えられてきました。
それにもかかわらず,血糖値を下げる仕組みが一つしかないというのはあまりにもこころもとない。
もし,この仕組みがうまく機能しなくなったら大変なことになります。
実際,インスリン分泌の機能が低いがために,糖尿病になることはあります。
仕組みというのは,あらゆることを想定(機能不全等)して2重,3重に備えておくことは定石であるはずです。
一方,血糖値を上げる仕組みはこれにあてはまっています。
ですので,万が一何かのホルモン分泌が機能不全を起こしても,他のホルモン分泌により,血糖値を上げることができます。
これらが意味することは,「もともと人間にとって血糖値が下がる状況は日常茶飯事であったが,上がる状況は滅多になかった」ということではないでしょうか?
飢餓や命がかかった状況(天敵から走って逃げるなど)で血糖値が下がったら活動できなくなるため,血糖値が下がる状況を回避するためにそれを上げる仕組みを2重,3重に用意しておいた。
しかし,日常の中で血糖値が上昇する場面はほとんどなかったので,そちらの仕組みはインスリンだけにとどめた。
こう考える方が合理性がとれます。
実際,食事の中で血糖値を上げる食材は糖質を含んだものだけです。
本来,人間はそれらを食べていませんでしたので血糖値が上がることもなかったのでしょう。
そう考えると,食事の度に血糖値が上がる現代の状況は人間史の中では異常といえます。
糖質の過剰摂取が生活習慣病の原因になっている
糖尿病に関しては説明の必要もないですね。
それ以外にも脂質異常症などは,脂質の摂り過ぎが原因である,高血圧は塩分の摂り過ぎである,と考えられてきましたが,これらに関しても糖質の過剰摂取が原因となっています。
それ以外にがんも糖質過剰摂取が原因の一つとなる病気です。
一つ例を挙げましょう。
果糖はあまり血糖値を上げない糖質です。
それゆえに果糖が含まれる果物はヘルシーであると考えられ,ダイエット中に食べることを推奨されてきました。
しかし,果糖は肝臓で処理をされて中性脂肪へ変換されます。
肝臓に直行して代謝をされるというのはアルコール代謝に近い仕組みであり,その意味でも身体は果糖の侵入を異常と捉えているのかもしれません。
特に避けるべき糖質
特に避けてほしい糖質は精製された糖質です。
具体的には白米,小麦粉,白砂糖です。
これらはもともとビタミンやミネラルが含まれていた玄米,全粒粉,黒糖からそれらをそぎ落とした残りでしかありません。
純度の高い糖質ともいえます。それゆえ,これらを口にすると血糖値が急上昇してしまいます。
それに応じてインスリンも大量に分泌されます。
大量に分泌されたがために今度は逆に低血糖状態になり,眠くなることもあります。
お昼ご飯の痕に眠くなるのはこれが原因です。
そして,下がり過ぎた血糖値を上げるために今度はアドレナリンなどが放出されます。
すると,今度はイライラしやすくなるわけです。
アドレナリンは攻撃ホルモンともいわれているものだからです。
以上,今回は糖質制限の必要性についてみてきました。
「なぜ必要なのか?」について理解を深め,日常に取り入れる際の参考になれば幸いです!