テレビに出ている美男美女の俳優たちは歯並びがいいなぁと思いながら観ているのは私だけでしょうか?
スポーツ選手も歯並びが良い人が多いですね。
もちろん,お金をかけて矯正している場合も多いのでしょうが,そもそもなぜ歯並びのいい人と悪い人がいるのでしょうか?
遺伝でしょうか?
実は歯並びの良し悪しにも栄養が深く関係している可能性があります。
それは原住民の食生活が教えてくれています。
栄養が歯並びに関係する理由
「乳幼児の頃に指やおしゃぶりをずっと吸い過ぎていたら歯並びが悪くなる」という説を聞いたことはありませんか?
もちろん,発達の段階でこれらの悪習癖が歯並びの良し悪しに関係することもあると言われますが,同じ乳幼児期にはそれよりも栄養の充足こそがカギを握っています。
本来,乳歯の間には適度な隙間があります。これは乳歯が抜けた後にはそこにより大きな永久歯が収まるスペースを確保するためです。
しかし,顎の発達が十分でなく小さい顎だと永久歯が並ぶためのスペースが足りなくなって,歯並びが悪くなってしまい,矯正が必要な状態になります。
ということは,乳幼児期に顎が十分に発達し,永久歯のためのスペースが確保されていれば歯並びの問題の解決につながることを意味します。
では,乳幼児期に顎を十分に発達させるためには何が必要なのでしょうか?
他の身体と同様,発達のために欠かせないのはその材料となる栄養素です。
原住民の調査からわかる歯並びの変化
ウェストンA.プライス博士が著した「食生活と身体の退化」という本があります。
プライス博士は14か国,数百に及ぶ地域を訪れる中で伝統的な自給食を食べている人々は歯並びが完璧であり,虫歯も少なく,顎や身体がたくましい健康体であることを発見しました。
ところが,先進国同様にそうした人々が現代的な食事を食べ始めると,顎の変形,歯並びの乱れ,虫歯等の異常が急増するという現象も同時に知ります。
この本の中で氏は200枚ほどの写真を紹介しながら伝統食と近代食の影響を明らかにしています。
伝統食と近代食の違い
プライス博士が調査した伝統食は様々であり,海産物が中心のもの,家畜やその乳製品を中心にしたもの,野生の動物,豆類,ナッツ類,野菜などがそれにあたります。
一方,我々が食べている近代食と言えば,砂糖,精白粉,精白米,缶詰などの加工品,精製した塩,植物油で揚げたものなどがそれにあたります。
これらを比較すると,伝統食の方が明らかにたんぱく質量,動物性の脂質量,ミネラル類が豊富で,近代食は炭水化物や植物性脂質に偏っていることがわかります。
よりわかりやすく言えば現代の栄養学では主食(炭水化物)と主菜(肉や魚料理),副菜(野菜類や豆類)という考えをしており,主食の割合はカロリーベースでも質量でも5割を超えることがあります。
しかし,伝統食では,栄養学上では主菜や副菜と言われているものこそが食事の中心です。
本ブログでは,健康のために動物性のタンパク質や脂質を中心に摂り,糖質を制限することを推奨していますが,それは伝統食に近づけるということでもあります。
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