こんにちは!
近年糖質制限に注目が集まる中,カギを握るのは脂質の存在。
糖質制限で体調を崩す原因の多くは,糖質を減らしたにも関わらず脂質を今まで通り増やさないために生じるエネルギー不足。
しかし,多くの人々が困惑するのがこの脂質の存在。
それも無理もありません。
今までカロリーをベースに体重管理をしてきた人たちにとって,カロリーの高い脂質は減らすべきものでした。
だからこそ世の中には「低脂肪」を謳う商品の需要があります。
なのに糖質制限が注目されるに伴い,MCTオイルやバターコーヒー,ギ―,ココナッツオイルなどの脂質を積極的に摂るように言われ,「こんなにカロリーを摂取して大丈夫なのか?」と心配になるのも理解できます。
カロリーについてはその胡散臭さについて以下の記事に書いてますので参考にしてください。
今回は,それでも脂質をたくさん摂っても本当に太らないのか?という疑問を持っている方にその理由を解説します!
肥満のメカニズム
そもそも肥満の原因は何なのか?
摂取した脂質が体内でそのままぜい肉になり,肥満になるというイメージを想起しやすいですね。
肥満は,体内の脂肪細胞という細胞の中に中性脂肪が蓄積されることで脂肪細胞が肥大化することにより起こる現象です。
その肥大化した脂肪細胞が皮下にあれば,皮下脂肪として,内臓周辺にあれば内臓脂肪として目に見える形で現れるというわけです(内臓脂肪は目で見えないというツッコミは無しですよ,モニターで確認できるという意味で。)。
それに関係するホルモンはインスリンというホルモンです。
インスリンは血糖値を下げるホルモンとして有名ですが,なぜインスリンにより血糖値が下がるかというと,血液中のブドウ糖をインスリンの作用で中性脂肪に変換するからです。
ブドウ糖を中性脂肪に変換することで,血液中の糖を減らし,血糖値が下がる仕組みです。
そして,その中性脂肪を脂肪細胞に蓄えるよう促します。
これが肥満の直接の原因です。
ここで重要なのが,インスリン分泌を発動する条件は,糖質を含んだ食事を摂った時だけです。
脂質だけを多量に摂取してもインスリンは分泌されないのです。
だから,食品中の脂肪は皮下脂肪にも内蔵脂肪にもならないと言えます。
脂質はどのように吸収されるか
食物中の脂質は小腸から吸収されます。
しかし,脂質が吸収されるかどうかは血液中の遊離脂肪酸の濃度に関係します。
簡単に言えば,遊離脂肪酸が足りなければ吸収されるし,足りていれば吸収されず便として排出されます。
脂質を大量に摂取したからそれがすべて体に吸収されるわけではありません。
ちゃんと吸収をコントロールする仕組みが体には備わっています。
糖質+脂質の組み合わせはいろいろな意味で悪魔
ところが,脂質を含んだ食事と一緒に糖質が含まれていると話が変わってきます。
これは以下の流れで説明が付きます。
①脂質と糖質を含んだ食事を摂取
↓
②食事に含まれる糖質が原因でインスリン分泌
↓
③中性脂肪に変換後,速やかに脂肪細胞に蓄積
↓
④血中の遊離脂肪酸濃度が低下
↓
⑤小腸から脂肪の吸収が積極的になる
つまり,脂質単独では起こらないインスリン分泌が糖質によって引き起こされ,それが引き金となり,脂質も積極的に体に吸収されてしまうということです。
世の中のおいしいものは大抵脂質と糖質を含んでいます。
バターがたっぷり入った洋菓子,菓子パン,ラーメン,チャーハン,フライドポテト,ドーナツなど…
挙げればきりがありませんが好きな人は大勢います。
実際,私も好きです。
いつ飢餓に陥るかわからない原始の時代であれば,脂肪を蓄えるために脂質+糖質の食事は有効だったのでしょう。
だからこそ,私たちはこれらのものを美味しいと感じて,欲するのですね。
しかし,現代は飽食の時代で飢餓に陥ることはまず考えられません(天変地異や戦争がなければ)。
食べるものが無いわけではありません。
あぶらののった豚バラ肉だって,大トロだってそれ単独では心ゆくまで食べてよいのです。
これらのことを知ったうえで今後の食生活の参考になれば幸いです!