こんにちは!
カルシウムと聞けば,どんな栄養というイメージがありますか?
おそらく,「骨の原料になる」,「骨を丈夫にする」というイメージが大半かと思います。
実際,間違いではありません。
学校給食でも牛乳が提供され,「骨を丈夫にするためにはカルシウムをしっかりとろう」と言われてきました。
世間でもカルシウムを強化した商品は多くあります。
が,しかし!
骨を丈夫にするためにカルシウムばかり積極的に摂ろうとするのは良くないかもしれません。
今日はその理由についてお話しします!
カルシウムだけに注目してはいけない
結論に近いことは申し上げると,カルシウムの摂取を考えるときは,マグネシウムの摂取も心掛ける必要があります。
有名な実験では,粉々にしたカルシウムの錠剤を水に溶かし,溶けきれずに水中にカルシウムの錠剤が残った状態のところにマグネシウムの粉を投入したら残ったカルシウムの粉がきれいに溶けることがわかっています。
カルシウムとマグネシウムは拮抗作用のある物質です。ともに関係しあい,影響することから「ブラザーイオン」と呼ばれています。
カルシウムを摂る以上,同時にマグネシウムも摂らなければなりません。
実際,骨を形成するうえでもこの両者があることで丈夫な骨を形成することができます。
両者の割合はこれまではカルシウム:マグネシウムを2:1で摂ることが望ましいと言われていましたが,マグネシウムの体内でのさまざまな働きを考えると1:1で摂ってもよいとも言われています。
実際,現代ではカルシウムの強化食品や積極的なカルシウム摂取が呼びかけられる一方,マグネシウムについてはあまり注目されていません。
その結果,マグネシウム不足かるカルシウム過剰の状態になっている人もいるかもしれません。
カルシウム過剰の状態になると…
カルシウムとマグネシウムのバランスが悪くなると,さまざまな悪影響が出てきます。
さきほど紹介した実験のように体内で活用されずに余ったカルシウムがあるとどんな症状が出るのでしょうか?
尿路結石や腎結石
例えば,尿路結石や腎結石です。
結石はシュウ酸とカルシウムが結合されて作られます。
ここにマグネシウムが充分量あれば結石の生成を抑制します。
実際,結石の予防や治療にはマグネシウム製剤が使われています。
肩の痛み
また,中年の方に多い四十肩・五十肩などの方の痛みもそうです。
これは肩関節石灰沈着症ともいわれ,余ったカルシウムが関節や血管壁に沈着することが原因で生じます。
この時もマグネシウムがあれば,予防することが出来ます。
マグネシウムは経皮からも吸収されますので,塩化マグネシウムを豊富に含んだにがりを痛い場所に擦りこむと痛みが和らぐこともあります。
足がつる
また,スポーツをしているときにおこる「足がつる」という現象もそうです。
筋肉の中においてもカルシウムとマグネシウムの双方が重要な役割を果たしています。
カルシウムは筋肉を収縮する働きに関与し,マグネシウムは筋肉を弛緩する働きに関与しています。
スポーツの最中はhげしい動きや発汗などで大量のマグネシウムを消費しますので,マグネシウムが不足することによって筋肉の動きがスムーズにいかなくなり,「足がつる」現象が起こります。
マグネシウムは大切
今回の結論としてカルシウムはマグネシウムとのバランスが重要であることが分かったと思います。
マグネシウムはそれ以外にも体内で数多くの大切な働きをしているため,いつか記事にまとめたいと考えています。
丈夫な骨をつくりたいのであれば,カルシウムだけでなくマグネシウムを意識して摂取する。
これが丈夫な骨を作るうえでの新しい常識になるのではないでしょうか?
参考になれば幸いです!