栄養士×保健体育教師 かーよーのブログ

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タンパク源としての大豆はどうなのか?

こんにちは。

 

私たちが日常的に高タンパク質の食事をするとき,手軽に取り入れられそうなものに大豆食品があります。

 

豆腐は麻婆豆腐やチャンプルー,冷ややっこ,豆腐ハンバーグなどのレパートリーがあり,大変助かります。

 

もちろん,納豆もそのまま食べてもいいですし,料理に活用してもおいしいです(ちなみに私は納豆オムレツが大好き)。

 

日本人としてはこの二つを大変重宝するか方も多いのではないかと思います。

 

特に最近は代替肉として,大豆ミートが地元のスーパーにも陳列されるようになりました。

 

また,プロテインにもホエイ以外の選択肢としてソイプロテインも人気があります。

 

ビーガンの方はこれらを活用されているのではないでしょうか?

 

しかし,たんぱく源として,肉や卵など動物性タンパク質に代わる真の意味での「代替」になるかについては疑問です。

 

今回はその理由について見ていこうと思います。

プロテインスコアから見た大豆

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以前,このような記事を書きました。

 

要約すると,

 

・いいタンパク質=良質なタンパク源というのは,9種類ある必須アミノ酸がバランスよく豊富に含まれている食品のことを指す

 

・食事としてタンパク質を摂取する場合はたんぱく質の量に加えて,その質(必須アミノ酸のバランス)を見る必要がある

 

・食品に含まれるタンパク質についてその質と量を指標として示したものがプロテインスコアである

 

ということです。

 

つまり,プロテインスコアの高い食品こそ,タンパク質源として良質であることになります。

 

これに沿って見てみると,大豆のプロテインスコアは50ちょっとしかありません。

 

そして,プロテインスコアの上位を見てみると,そのほとんどが動物性食品です。

 

一番高いのは卵です。

 

宗教上の理由や菜食主義,アレルギーなどが無い限り,タンパク源として,動物性食品を取り入れる理由はここにあります。

 

プロテインスコアが低い食品はなぜ良質でないか

大豆がタンパク源としてそれほど良質でない理由についてもう少し詳しく見ていきます。

 

私たちの体はタンパク質から得られるアミノ酸を材料としてつくられています。

 

アミノ酸は,DNAの指令によって,リボソーム(細胞内にあるタンパク質の合成装置のようなもの)の上に並べられます。

 

例えば,筋肉を作る場合,その設計図に応じて必要なアミノ酸を順番に呼び出します。

 

しかし,このとき,呼び出したいアミノ酸が欠けていると,設計図通りにタンパク質を合成することが出来ません。

 

つくりたいときに,つくりたいもの(皮膚や臓器や筋肉など)をすぐつくるためには20種類のアミノ酸が用意される必要があります。

 

ちなみに,20種類のアミノ酸は,人体の中でつくることができる可欠アミノ酸と,人体でつくることができない不可欠アミノ酸必須アミノ酸)に分けることが出来ます。

 

こう考えると,なぜ大豆が良質でないかわかります。

 

プロテインスコアが50ちょっとしかないということは,たとえ大豆をたくさん食べたとしてもアミノ酸の偏りがあるため,DNAが呼び出したときに足りないアミノ酸が出てきてしまいます。

 

もちろん,大豆食品を食べてはいけないということではありません。

 

料理のレパートリーを広げるうえでも食卓の中にあっても良いと思います。

 

実際,大豆から得られるアミノ酸もあります。

 

糖質と比較すると良質な食品といえます。

 

しかし,純粋なタンパク源としてみる場合はそれだけでは基準を満たさないため,これだけに頼るべきものではないということです。

 

参考になれば幸いです!