こんにちは!
最近こんなニュースを目にしました。
物価高の影響もあり,現場は大変な苦労がそこにあるかと思います。
しかし,私はこの記事を読んで強烈な違和感を抱きました。
今回は,今日の給食について一石を投じたいと思います。
各国の給食の歴史
これについて論じていたら,本一冊くらいになりそうなので,簡単に数か国の給食について説明すると,
連合王国(イギリス)
連合王国では,1870年に義務教育法が制定され,これまで就学していない子どもも学校へ通うことになったが,貧困層が多く,欠食や偏食による栄養不良の子どもが多いにもかかわらず強制的に学校へ通わせることへの疑問の声があり,給食を導入した経緯があった(しかしなかなか定着しなかったという)
ドイツ
ドイツでは,国民皆兵制の時期があったが,1900年代前半,対象男性の約50%は兵役検査に不合格だった事実を重く受け止めた児童衛生当局が給食を導入した経緯がある。
フランス
フランスは当初は慈善事業の一環として貧困層の子どもに向けて給食を提供していた。しかし,給食を食べている=貧困層の子ども ということがわかるとその子たちの自尊心を傷つけてしまうことから貧困層でない子どもたちにも給食を提供するようになった。
アメリカ
戦後の日本の給食事情にも関係しているアメリカはどちらかというと「余剰農作物対策」として給食がある。このあたりはいかにもアメリカらしい。
人件費削減のために安価でカロリーが高いインスタント料理に頼ることもあり,献立が「ハンバーガー,フライドポテト,桃,プレッツェル」なんてこともある。これもいかにもアメリカらしい。
日本の給食については長くなるので割愛するが,そこには各国の影響があったり,日本の子どものために尽力した「栄養学の父」と呼ばれる佐伯矩氏や医学者の原徹一氏などの多大な貢献があった。
給食の特徴
給食の特徴として,一言でいえば「強制」であることが挙げられます。
メニューは原則として選べないし,代金も一括払いであるし,食べる時間も場所も決まっています。
そして,家族”以外”の人と一緒に食べることも当たり前のことであるが,休職の特徴の一つです。
給食の目的は,栄養うんぬんよりも「家族以外の同級生や同僚のみんなと,同じ時間に,同じ場所で,同じものを食べる」ことに重きが置かれている気がしてなりません。
もちろん,それ自体が悪であるわけではありません。
他の人と食事をすることは楽しい時間であり,人間の文化として大切です。
しかし,問題はやはりその中身です。。
現在の給食の問題
給食の問題として一番に挙げられるのは,基準のカロリーを満たさないといけないという指標があることです。
それでいて厳格に予算が決まっているため,その中でカロリーを満たそうと思えば原価の高い動物性たんぱく質を減らし,何かでかさを増すしかない,という発想にならざるを得ません。
カロリーという指標は人間の体をつくる上であまりにも頼りにならないのです。それについては以下の記事に書いています。
もちろん一応各栄養素の基準もあります。
それを満たすためにタンパク質やカルシウムを含む牛乳を計算に入れないといけない事情があります。
提供されている牛乳にも多くの問題がありますが,それは本題ではないのでまたの機会にしようと思います。
でも,和食の献立の時に牛乳を飲むのは,文化としてどう考えても合いませんよね。
私は小学生の時,それが嫌でした。
本当に必要な基準は各栄養素の”絶対量”です。
特に成長期の子どものからだづくりに欠かせないタンパク質の絶対量を中心として,その確保ができるような仕組みや予算編成が必要です。
それが本当の食育ではないでしょうか?
各家庭の負担が増えるというのであれば,そこにこそ税金をもっと投入してほしい。本来はその重要性を各ご家庭でよく理解していただいて保護者の果たすべき責任としてもう少し給食費を上げることが手っ取り早いですが。
少なくともカロリーと予算のために肉や魚を削るなんてことは本末転倒であり,あってはならないことです。